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[北京 2010年6月日 ロイター]
中国は人民元の柔軟性を高めることで通貨改革を再開すると発表した。これにより1年11カ月続いたドルペッグ制に終止符を打つとみられている。
以下は今後数週間での政策変更に関連した予想シナリオ。
<緩やかな上昇>
◎可能性:最も高い
為替改革は緩やかに進めると表明しており、大幅な上昇や一度での切り上げは除外している。
国内の景気回復の強さから中国当局はドルペッグ制放棄に自身を示すが、欧州債務危機もあり外需は底堅いとはいえない。
為替改革を進めていることを示すため小幅ながら人民元上昇を容認する必要がある。
このシナリオに基づくと、世界経済の見通しがより明確になるまで、人民銀行が設定する日々の基準値を緩やかに上昇させる可能性が高い。
<上下2方向の展開>
◎可能性:ありえる
人民元改革について人民銀は、柔軟性を高めるとしており、市場の状況次第で上昇も低下もあるとしている。
長期的には上下両面のリスクを為替に導入する意向で、これに沿えばトレーダーは上昇への一方向だけを想定することはできなくなる。
上下0.5%の振れを容認しているものの、過去の例では0.1%以上動くことはまれだった。2005―08年の着実な上昇局面でみられた投機資金の流入をさせないよう、ボラティリティを高める方針を強めるだろう。
人民銀の金融政策委員会で学識経験者として委員を務める李稲葵氏は、対ドルでの持続的なユーロ下落は、対ドルでの人民元下落につながる可能性があると指摘している。つまり世界的にドルが下落すれば、中国は人民元は小幅上昇させる可能性があるということだ。ドルが上昇すれば、この上昇幅を押し下げることになるだろう。
しかし目立った人民元の下落に米国議会は納得しないだろう。また人民元は過小評価されていると考える投資家が多いことは、日々の上下はあっても長期的には一方向の動きになるとの見方に対抗するのは難しい。
<当初大幅に上昇>
◎可能性:低い
当初大幅に上昇させることは、理論上には根拠がある。投機筋が資金をつぎ込む前に当局が十分に上昇させれば、機会を失ったと感じて様子見になる可能性がある。
米議会の対中強硬派も、小幅な人民元上昇を続けていれば批判を強めるだろう。
しかし中国政府は人民元を大胆に上昇させることは躊躇(ちゅうちょ)している。方針を180度転換して一度限りの上昇とすることは、政治的にも問題となるだろう。
世界経済の状況はとりわけ、大幅な上昇の可能性を低くしている。
<現状維持>
◎可能性:最も低い
中国の発表は、週末の20カ国・地域(G20)首脳会議を前に批判派を封じ込める狙いがあるとみられている。中国首脳は、言葉だけで世界を納得させられるとは考えていないだろう。
1ドル=6.83元の水準で固定すれば、国内の対外強硬派を喜ばすことになるだろう。対ドルで人民元はペッグしているが、ドルが強いため通貨バスケットでの人民元はここ数カ月上昇しており、経済的にも現状維持は正当化できる。
しかしペッグ制の維持を米議会は容認せず、柔軟性を約束した中国のこれまでの姿勢も疑われることになる。
今回の発表は、08年7月以来続けてきたペッグ制の破棄で、中国首脳がコンセンサスを得たことを示している。
■引用元:ロイター
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPnTK872177920100620
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